Fugu & Seafood
魚のことばかり考えて、
気づけばこの道15年。
北田辺で"あぐり"を開くまでの話を、少しだけ。高校2年でふぐ調理師免許を取り、和食で14年、市場で2年、飲食の現場で10年——遠回りに見えて、すべては今のこの一皿につながっています。
アルバイトで入ってすぐ、ふぐを捌く仕事を任された。店で誰より早く捌けるようになり、それが楽しくて料理の道に。
当時、この若さで免許を取るのは珍しかった。ふぐと向き合う日々が、ここから本格的に始まった。
捌きだけでなく接客も徹底して仕込まれた(「お客様の見送りは絶対」など)。その頃のお付き合いは、今も続いている。
富山から届く魚で足りないものは、自分で市場に通って仕入れた。届いた魚の良し悪しを見て調理法を変える判断は、この2年で身についた。
立ち上げと経営を学ぶ。一方で「自分の思うようにできない」もどかしさも感じていた。
持っているふぐ免許を活かさない手はない——そう決めて、ふぐと海鮮の店を開いた。
海鮮の店をやると決めたとき、頭に浮かんだのが富山だった。旅行で足を運び、そこで知り合った縁が、今の直送につながっている。富山の郷土料理、沖縄料理、そしてふぐ——この3本柱で構えている。
富山から届く鮮魚に加え、足りないものは今も市場へ。捌いた状態を見て、焼きに、煮物に、ボリュームがあればお造りに。だから同じ皿でも、その日で少しずつ内容が変わる。
特別な魔法はなく、基本に忠実に。温度も湿度も保てる冷蔵庫で管理する。生簀の世話は、趣味のアクアリウムと同じ感覚でやっている。
魚屋が提携する3つほどの漁港から届くふぐのリストを見て、状態の良い一番を選ぶ。魚は大きいほど熟成で旨味が増し、鮮度も保たれやすい。
生地(いくじ)の漁港から届く無添加の干物。謳い文句に惹かれて仕入れ始めたら、本当に美味しかった。開かずにそのまま干すから、新鮮なまま旨味が乗る。電話で状態を確かめてから仕入れる、そんな付き合い方をしている。富山の地酒とぜひ。
雰囲気がよかった。1階も2階も落ち着ける。古民家らしい佇まいも気に入って、内装はクロスを張り替えたくらいで、この空間を活かした。
開業時から決めていた。修業したお店もJAZZだったし、単価に見合う、落ち着いた食事の時間を過ごしてほしいから。
1階はカウンターで晩酌気分に。2階は最大26名まで入れるので、団体や宴会に。掘りごたつで気兼ねなく。